主な登場人物・出演者
ネパール人建築家。 KVPT（カトマンズバレー保存トラスト）の部長として、カトマンズの伝統的建築物の保存と耐震化を訴えるも、人々には理解されない。 日本への留学経験があり、恩師の招きで日本へと向かうが、千葉県佐原を視察中にネパール大地震の報に接する。
ラメスが想いを寄せる若き看護師、だがまだ恋人未満。 ラメスが講演旅行のために日本に向かった直後、ネパールで大地震にまきこまれ、消息を絶つ。
1990年ネパール・オカルドゥンガ出身。 モデル出身でカトマンズの現役大学生。 本作前にクランクインした『マイ・ラブ』のヒロインとして抜擢され、本作の日本ロケで初来日を果たした。 日本の海と食べ物が大のお気に入り。
国際緊急援助隊（JDR）救助チーム副隊長。 ネパール大地震直後にラメスと共にネパールに派遣され、友情が生まれる。
1981年富山県出身。映像・舞台・舞台演出など幅広く挑戦している。 千葉繁の下で演技・演出などを学ぶ。千葉塾演出部にて演技指導を担当し、若手の育成にも力を注ぐ。 映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 』ほか、舞台 バンタムクラスステージ『Crossing,Christmas,Clearance.』、 小川細川企画 『市と惣左の恋ひ慕ふ』ほか多数出演。
早田友一コメント「北沢は、堅物で、ひたすらに任務を真面目に遂行し、人情味ある人物だったと思いました。 ネパールでの思い出は、実際に地震で崩れた建物の中で撮影したのですが、ただ被害の大きさを身に染みて演じたのは今でも忘れません。 当たり前の事が当たり前じゃなくなる状況下でも、明るく前向きに生きるネパールの人々に感銘を受けました」
JDR医療チーム看護師。北沢とは縁戚関係にあり兄妹のように育った。 インドラジャトラと諏訪の御柱祭がよく似ていることに気づき、ラメスを日本に招待すると言い出す。
1990年京都府出身。殺陣・日舞・アクションを野見山秀作氏に師事、殺陣を林邦史朗氏に師事。 映画『THE NEXT GENERATION-パトレイバー』、テレビ「爆報！THEフライデー」、TVCM「au史上最大のチャンススマートバリュー」篇、 舞台「十二人の怒れる人々」「林邦史朗殺陣ライブ2014」ほか出演多数。 パフォーマンス集団『星空☆ふらっぐ』代表。
水谷りぼんコメント「ネパール、それは私にとって未知の国でした。ぼんやりとしたイメージを抱きこの国に訪れた私は驚きました。 そこに住む人々はとても優しく前向きで明るい人たちでした。震災後の瓦礫の中でも懸命に生きようとしている彼らに私の心は激しく動かされました。 きっと麻衣子もそんな体験をしたと思います。 ネパールのみなさんに心からダンニャバード(ありがとう)！これからも日本とネパールが良き関係でありますように！」
JDR隊長。隊全体を束ねる冷静沈着な指揮官。しばしば日本の官僚組織と現場の板挟みになって苦労するが、心の奥に熱い思いがある。
1979年宮城県出身。特技のサッカー・バスケットボールをはじめ球技全般が趣味。 テレビ「爆報！THEフライデー」、舞台「便想学」「誰かが誰かを愛してる」「見果てぬ夢」「斬撃！ヨシダ商会」「ラフカット2015」ほか多数出演。
松田秀太郎コメント「今回三浦隊長役としてネパールに訪れた時、故郷の東日本大震災の被害を思い出すような瓦礫の山で、 私は鳥肌が立ちました。しかしネパールの方々はとても明るく朗らかで、前向きに生活されている姿に感銘を受けました。ネパールの地震は他人事とは思えず、 今回この映画に出演することで、微力ながら震災復興に協力ができてとても嬉しく思います。 そしてこの作品が後世に残る記憶としてこの国の発展に繋がる作品になれば幸いです」
JDRレスキューチーム隊員。明るく朗らかな九州男児で隊のムードメーカーだが、実は有能なロジスティクスの専門家。
1979年福岡県出身。剣道・合気道・居合道・殺陣・カポエイラなどを習得し身体を使った表現が得意。 舞台「ペールギュント」「冥途の飛脚」「ふるさとをください」、ドラマ「掟上今日子の備忘録」、 旅公演「THE WINDS OF GOD」「べっかんこおに」、映画「消滅戦街道」ほか多数出演。 現在「ＮＰＯこども交通安全支援ネットワーク」の代表を務め子ども向けの交通安全イベントで活躍中。
田坂和歳コメント「撮影でネパールの山へ行きましたが、美しい自然に感動しました。 何気なく眺めた車窓からの風景には、どこか懐かしいような自然が広がっていました。 ただアーミーポリスに銃を向けられたときは、危うく自然に還るところでした」
JDRレスキューチーム隊員。気は優しくて力持ちな工科担当。だが、災害派遣の辛さが腰にきて現地で寝込む。
1965年宮崎県出身。東京映像学院特撮学部卒。 1990年よりフリーの映像監督となり岩波映画製作所を中心に活動。 各種教育・広報映画、ドキュメンタリー・TV番組などを多数監督。 オリジナル特撮ドラマシリーズ『ヴィジュアルバンディッツ』(2000)の脚本・監督・特撮監督。 円谷プロ『ウルトラマンネオス』(2001)に監督・特撮監督として参加。 近著『スマホで超カンタン特撮:ポートレートからミニチュアまで映像監督気分の撮影テク』誠文堂新光社刊(2017)はベストセラー。
宮本拓コメント「この映画への参加を打診されたときは嬉しさとともに緊張もしたのですが、 ネパールに赴き現地の人々と触れ合ううちに、何としてでも価値ある作品を作らねばならないのだと強く思いました。 この作品は、人々の国境を超えた温かくも固い友情の証です」
立ち入り禁止の民家にこもってしまうネワール人のおばあさん役を演じたチャイティア・デビはネパールの伝説的女優である。 ネパール初の国産劇映画『アマ(母)』(1965)で母親役を演じ、 その才能が認められてモスクワ映画大学院に留学、 イーゴリ・タランキンやセルゲイ・ボンダルチュクに師事してマスターを取得。 帰国後、ロイヤル・ネパール映画公社職員となってネパール初のカラー劇映画『クマリ』(1977)に主演。 同作はモスクワ国際映画祭に出品され、ネパール映画初の国際映画祭参加となった。 『ジーワンレカ』(1982)では助監督として演出も手がけた。 日本での滞在経験が長く日本語にも堪能で、伊藤監督のネパール映画史研究を支えた。 映画出演を長く拒んできたが、今回、監督のたっての願いでスクリーンに登場、ネパールでは大きなニュースとなった。
プレム・バスネット監督のネパール映画『クマリ』(1977)に主演のチャイティア・デビ（右）とサイヤン・K・C（左）
あらすじ
建築家ラメス・ラマ、ネパールで苦しむ日々
KVPT（カトマンズバレー保存トラスト）の部長・ラメスは、カトマンズの伝統的建築物の保存と耐震化を訴えているが、人々に理解されず、家族も冷たい。
そんな折、ラメスは日本留学時代の恩師から日本で働かないかと誘われる。
ラメスは想いを寄せる若い看護師・ニサと共に日本へ行きたいと考えはじめていたが、ニサは日本行きをためらっている。
地震前、ラメスは日本へ
2015年4月、恩師の招きで日本へ向かったラメス。
講演先の大学では国際緊急援助隊（JDR：Japan Disaster Relief Team）の隊員・藤森麻衣子と知り合う。
レストランで働く在日ネパール人の若者たちと、日本で生活することについて語りあうが話は噛み合わない。
ラメスは東京の夜景を前に、祖国に見切りをつけることを決意する。
ネパール大地震発生
4月25日、千葉県佐原の重要伝統的建造物群を視察中だったラメスに、ネパール大地震のニュースが飛び込んだ。
在日ネパール人は結束し支援活動が始まる。ラメスは電話で家族の無事を知るが、ニサの安否は分からない。
支援物資を荷造りしていたラメスのところにネパール建築の専門家として日本のテレビが取材に来る。
生中継でコメントに詰まり、ネパールの建築が大きな被害をもたらしてしまったことで、自分は建築家として失格だと嘆くラメスだったが、 昨晩の若者に励まされ、自分に与えられた使命を考え直し始める。
JRDチームとともにカトマンズへ
テレビでラメスの存在を知った日本政府から、JDRの協力者としてカトマンズに同行してもらいたいとの要請が下る。
千葉市消防局のヘリコプターがラメスを羽田に緊急移送し、ラメスは三浦隊長や北沢副隊長、麻衣子らとともに、JDRの一員としてカトマンズへ飛ぶ。
最大余震で意識不明の重体に
地震直後のカトマンズで、ラメスや隊員たちは三浦隊長の指揮のもと奮闘、
捜索中の建物が崩落して生き埋めになるなどの危機を乗り越え、北沢とラメスの間には固い友情が生まれる。
ネパール人や世界中の救援隊が必死で働く姿を前に、祖国を見限ろうとしていたラメスは自分を恥じ、幼い頃、ヒマラヤの妖精と交わした約束をほのかに思い出す。
しかし三浦の指示で立ち寄ったバラビセ村で、5月12日の最大余震に遭遇、ラメスの乗るジープは地滑りに巻き込まれ押し潰されてしまう…！
ラメスの命は!? そしてニサの行方は!?
